ユーロ/円相場は、キプロス情勢をきっかけに欧州債務リスクに対する警戒感が蒸し返される中、3月12日の126.04円をピークに、足元では120円の節目でのサポートを試す軟調地合になっている。前週はキプロス情勢のヘッドラインに一喜一憂する展開になったが、25日にキプロス向け支援での正式合意を達成した。しかし、その後もユーロに対する戻り圧力は限定されており、概ね3月月初の値位置で上値の重い展開になっている。
キプロス向け100億ユーロの支援合意に至ったが、マーケットの欧州債務問題に対する警戒感を払拭するには至っていない。同国への支援には、大口の銀行預金者への負担が盛り込まれており、しかも、ユーロ圏財務相会合の議長を務めるダイセンブルーム蘭財務相が、キプロス支援がその他のユーロ諸国の救済における雛形とみなされるべきと発言したことで、再び同様の問題が発生するリスクが警戒されている。少なくとも、ユーロ急落リスクは後退しているが、改めてユーロを買い進むことに対しては慎重ムードが目立つのが、現在のユーロ相場を取り巻く基本環境である。当面は、欧州関連のヘッドラインに一喜一憂する展開が、ユーロの戻り余地を限定しよう。特に、27日のユーロ圏業況判断指数が悪化すると、欧州中央銀行(ECB)の利下げ期待につながりかねないことに注意が必要。
一方、円サイドでは特に目立った動きは想定されていない。日本銀行が緊急総会を開催する可能性は低下しており、来週の定例会合待ちのムードが強い。大胆な緩和策に対する期待感が円安圧力となるも、円サイドからの要因で大きな値動きは想定しづらい。
今後1週間の予想レンジは、119.00~123.00円。